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6月 03

山本幹宗(The Cigavettes)×後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)| INTERVIEW | only in dreams
ゴッチなんか髪型おかしいぞ
では、でんぱ組.incのニュー・シングルで、小沢くんの「強い気持ち・強い愛」をカヴァーしてみてどうでしたか?
「渋谷系に影響を受けている前山田健一さんがアレンジをやってくださるってことで、私は安心感を感じてたんです。カヴァーすることが決まったとき、“やった!”と思ったと同時に、オザケンファンの気持ちも考えちゃったんですよ。好きだからこそ、変なカヴァーをされたら腹が立つと思うし。ある意味、聖域じゃないですか。でも、渋谷系を好きな人がアレンジするんだから、もちろんリスペクトを持ってやってくださってると思うし、悪いようにはしないだろうって」
――突如、高速になるアレンジは衝撃でした(笑)。
「『オリーブ』読んでた人、激怒みたいな(笑)。でもあれがすごくいいなあと思ったんです。スピードが速いっていうのは、今の時代にしっくりきてるし、(高速になる)3番からが2012年の感じだと思うんです。 しかも、小沢健二を通ってない子達が歌ってるっていうのがいいなって。私以外のメンバーはオザケンを知らないんです。なので私も歌うときは、あえて思い入れはゼロにして、でんぱ組.incの夢眠ねむとして歌いました」
――結果、でんぱ組らしさ全開の面白いカヴァーになったと思います。
「やっぱり、オザケンや小山田さんがやっていたように、私も影響を受けたものを自分なりに咀嚼して表現していきたいなって思うんです。せっかくそういうやり方を学んだのに、それを出さなきゃ意味がないと思ったんですよ」
――ぶっ壊さないと意味がない。
「そう。<強い気持ち・強い愛>もぶっ壊したけど、超・愛があるみたいな感じでやりました。普通やんないだろうみたいなことを(笑)。でんぱ組って結構そういう感じでやることが多くて、それって渋谷系に通じてるなって。だから私は、あえてやってるって感じをチラチラ出してるんですけどね」
――確信犯的な感覚ですね。
「そうです。あ! (小声で)これ自分で言っちゃダメなやつですね(笑)」
— 特集:シングル「でんぱれーどJAPAN / 強い気持ち・強い愛」リリース記念 でんぱ組.inc 夢眠ねむ、渋谷系を語る。 - CDJournal.com CDJ PUSH
――ねむさんは、先日行なわれた小沢くんのコンサートを観にいったんですよね。
「2曲目の<さよならなんて云えないよ>で泣きました(笑)。なんかもう言葉が強くて。オザケンって私、音楽として聴いてないのかもしれないですね。言葉がガツンガツンって響いてきて。あと、<強い気持ち・強い愛>を歌いました、一緒に、勝手に(笑)。しかも私が観にいった日に、<夜と日時計>もやってくれたんですよぉぉ!」
――それは嬉しいですよね。実際、生で小沢くんのコンサートを観た感想はどうでしたか?
「フリッパーズとかソロでばりばり歌ってる頃の写真しか見たことなかったから、めっちゃ大人でびっくりしました。リアルタイムで見てない分、急に、“あ、人間なんだ”みたいな感覚になって。自分の中では偉人というか、ペリーとか大塩平八郎的な存在だったので(笑)、本当に存在してるってだけで泣けてきて。私の目標は、オザケンのここ(隣を指して)に行って“どーも”っていうことです(笑)」
――普通に挨拶を交わすと(笑)。でも、偉人みたいな人が、人間っぽく思えたのは、ちょっと寂しさもありましたか?
「う~ん、しっかりした大人みたいな感じになってるのは、ちょっとショックだったけど、ただ、アメリカに行っていろいろ経験したんだろうなって純粋に思いました(笑)。なんか昔と違う尖り方というか、攻撃的じゃなく、根っこを張るみたいな強さを感じましたね。こんな小娘が言うのもなんですが(笑)、金属が木になったって感じがしました」
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――また普通の質問を。小沢くんの曲だと何が好きですか。
「<夜と日時計>が好きです。最初はただ普通に好きだったんですけど、
渡辺満里奈さんに書いた曲だということを聞いて、さらに気になるようになって
(編注:原曲は1992年に発表された渡辺満里奈のシングル『BIRTHDAY BOY』に収録。のちに歌詞の一部とアレンジを変え、同タイトルでシングル『暗闇から手を伸ばせ』にカップリング曲として収録)。オザケンがアイドルに曲を書いたことが最大級に羨ましくて……私にも書いてほしい(笑)」
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「フリッパーズは後期が好きです。曲だと<午前3時のオプ>、<スライド>が好きです! あと<GROOVE TUBE>は、ちっちゃいと“エロい!”って思いながら聴いてました(笑)。アルバムだと『ヘッド博士の世界塔』! 私が好きなクラフト・エヴィング商會って作家・装丁家のユニットに『クラウド・コレクター』って本があるんですけど、その世界観と『ヘッド博士~』が自分の中ですごくカブるんです。“塔”って異次元系じゃないですか。ちょっとダンジョンみたいなところもあるし。『ヘッド博士~』を聴いてると、塔についてとか、ヘッド博士の人生についてとか、ひとつひとつの要素について、すごく考えちゃうんです。あのアルバムって異次元の物語みたいなのに、超パーソナルな思考もブチ込まれていて、鬱陶しいものがない中で、自分をぶつけてるイメージがあるんですよね。なんかパラレルみたいな……(フッと我に返り)私、ただ気持ち悪いだけじゃないですか?(笑)」
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「渋谷系のミュージシャンって自分に熱中してる人って感じがするんです。自分の哲学に則っていかに生きるか、みたいな。何かに集中してガーッて突き進むっていうのが渋谷系のイメージです。そういう人じゃないと私はカッコいいと思えないんです。
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――今の話を聞いて、世代に関係なく小沢くんの曲が支持されてる理由が分かった気がします。結局、核心突いたものを書いてたんだなって。
「そう! きっとフリッパーズ・ギターが活動してた時代って世の中的にハッピーだったと思うんです」
――まさにバブルの時期でしたからね。
「だから、自分に目を向けてない人が多かったと思うんです。みんな社交とかそういうものに目を向けていたというか。そういう雰囲気が嫌いだったんじゃないかって」
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「今思うと最低の人間なんです(笑)。でも、そこを通ったからこそ、今は人と触れ合うだけで泣けるっていうか。そういう感覚が(ソロ活動以降の)大人のオザケンにはある気がして。あと、お姉ちゃんから教わった音楽以外って、単に夢とか希望を歌っているようものばかりで、学校の友達はみんなそっちを聴いてて、それにすごく違和感があったんです。だから、小学生の時みんながJ-POPとか聴いてるのに、私は
Coccoと
カヒミ・カリィを聴いてました(笑)。ハッピーな歌詞とかに全然共感できなかったんです。“こんなの嘘じゃん! 奇跡起こりすぎだし!”って(笑)」
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「というか“分かった”って感じです。ずっとオザケンとか渋谷系周辺の音楽は聴いてたんですけど、それほど深く考えることもなくて。実はネットも進学するまでちゃんと触ったことがなかったんですよ。もちろん40代ではないんですけど(笑)。で、進学して、ネットでオザケンの考察みたいなものを読んだりして、“なるほど~”って、いろいろ知っていった感じなんです。でんぱ組のメンバーって、みんな引きこもりだったんですけど、私もそうで、しかも結構、言えない感じの引きこもり方だったんです。ホントいろいろこじらせちゃった感じというか。そんなとき、フリッパーズ時代のオザケンの歌詞にすごく共感する瞬間があって。これはあくまでも私のイメージなんですけど、フリッパーズの歌詞って、結構自分のことしか書いてないような印象があって」
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進学で上京した頃、かせきさいだぁさんが大好きになったんです。その頃、カフェのお手伝いをしていたんですけど、お店でかかっていたミックスCDに、かせきさんの“アスピリン片手のジェットマシーン”の曲(<冬へと走り出そう>)が入っていて。そこから、かせきさんに異様に深くハマって、とりあえずバファリンじゃなくてアスピリンを買うようになりました(笑)」
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